2023.08.08
グローバル・ミニマム課税(第1回)では、グローバル・ミニマム課税とCFC税制の二重適用による実質的な二重課税問題に触れました。第2回では、その二重課税の排除の課題・限界と、当該税制がCFC税制を補完する役割を果たすことについて解説します。
当該税制の導入により、これまでCFC税制では補足していなかった、15%以下の実効税率により課税されたままで合算課税の対象になっていなかった一定の実体のある軽課税国に本店が所在する外国子会社等に対して、一定の純利益の15%までは日本で課税することができるようになります。その意味で、当該税制は、CFC税制では補足できなかった実体のある軽課税国で設立された外国子会社等の所得を合算課税の対象にする、と言うこともできます。この側面と、上述した実体のない一定の外国子会社等の所得に対して実質的に日本の法人税実効税率を越えた法人税(国際最低課税額)を追加的に課すことが、国際的に合意されたグローバル・ミニマム課税を我が国法人税制へ導入したことの実質的な効果と言えます。