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COLUMN

2021.04.22

2021年税制改正―国際金融都市に向けた税制上の措置について

日本政府は、日本を世界に開かれた国際金融センターにするべく、海外から「人材」、「企業」及び「資金」を日本に呼び込むために、いわゆる縦割り行政の弊害を排した総合的なパッケージ政策立案と執行を金融庁中心に推進しています。 その一環として、2021年度税制改正において、以下の改正が行われました。

(1) 法人課税

  1. 非上場の投資運用会社の役員に対する一定の要件を満たす業績連動給与の損金算入
  2. 投資事業有限責任組合及びこれに類する外国組合契約に係る外国法人有限責任組合員の当該組合に係る日本における恒久的施設に帰属する所得が課税対象とならない規定(いわゆるPE特例)の適用要件(外国組合員の組合資産に対する持分割合の計算における他の組合員である組合の持分の取り扱い)の明確化

(2) 相続税

10年以上日本に居住している外国人が死亡した際、非居住者である相続人が国外財産を相続した場合に相続税が課税される現行制度を改正し、課税対象から除外する

(3) 個人所得課税

ファンドマネージャーが、出資持分を有するファンドからその出資割合を超えて受け取る組合利益の分配(いわゆる、キャリード・インタレスト)について、一定の要件を充足する場合に、総合課税対象から株式譲渡益等として分離課税対象とする。

金融庁は、外国法人・外国人の日本への投資を呼び込むため、これら税制上の規制緩和のみならず、在留資格の取得容易化、外国人が日本で生活する上での支援、様々な情報発信を関係省庁・関係機関にも働きかけて推進しています。